電気料金の計算方法やプランについて②
先日、電気の受電電圧は低圧・高圧・特別高圧があって低圧は電灯と動力の2種類あるという事を書きました。
今日は、電気料金の契約「契約アンペア/契約容量/契約電力」についてみていきたいと思います。
★契約アンペア(A)/契約容量(kVA)/契約電力(kW)★
・電灯の契約パターンは契約アンペア(A)/契約容量(kVA)/契約電力(kW)の3種類
・動力の契約パターンは契約電力(kW)
になります。
■契約アンペア(A)
北海道、東北、東京、中部、北陸、九州エリアのみ
(関西、中国、四国、沖縄には存在しない契約)
電力会社向けに製作された電流制限器(アンペアブレーカー)の設定アンペアを契約値
とする契約で、アンペアブレーカーの設定値まで電気を使用できる契約になります。
(最近はアンペアブレーカーを設置せず、スマートメーターにて制御する場合もあります。)
※アンペアブレーカーの特性について
アンペアブレーカーは電流制限器と呼ばれ、通常のブレーカー:配線用遮断器(MCCB)等とは動作特性が異なります。
単相3線100/200Vで受電されていて30Aのブレーカーが付いている場合
アンペアブレーカー :3kVAまで使用可能
配線用遮断器(MCCB):6kVAまで使用可能
という動作になります。
アンペアブレーカーの場合は200Vで使用しても100V換算で30Aまで、
つまり15Aでブレーカーが落ちる特性という事ですね。
配線用遮断器は定格電流までですので200Vでも30Aまで使用できます。
■契約容量(kVA)
容量とは電圧(V)×電流(A)の事で、契約している電力の容量がどれだけあるか
という事を意味します。
電圧200Vに75Aのブレーカーが付いている場合
200V×75A=15kVA
となります。
ブレーカーは通常、アンペアブレーカーではなく一般のブレーカーを取り付けます。
■契約電力(kW)
・電灯の場合
電灯で実量契約をする場合は通常、電力(kW)になります。
実量契約とは、実際に使用した電力からその月の契約電力を決める方式です。
電気料金を請求する月を含めて過去12か月分の使用電力のうち一番大きい電力を
その月の契約電力とするのが一般的です。
ブレーカー容量が75Aの場合は、
200V×75A=15kVA = 15kW
まで使用できますが、実際に使用した電力が10kWまでであれば、10kWが契約電力になります。
※実際には電力のロス(無効電力)がある為、15kWまでは使用できません。
・動力の場合
動力はブレーカー容量で決定する場合と電灯と同様に実際に使用した電力量で決める場合とがあります。
動力(三相)の場合の契約電力は、kW = kVA × √3
になります。単相よりパワーがありますね。
√3をかける理由はまた別の機会に書いて行こうと思います。
つまりブレーカー容量が75Aでこの容量が電力になる場合は
200V×75A×√3 = 200V×75A×1.732 ≒ 26kW
になり、契約電力は26kWになります。
実量制の場合は電灯と同様に使用電力に応じて契約電力を決定する事になります。
※実量制の契約電力は通常、送配電事業者の測定電力データを元に算出されます。
次回は、実際の料金計算「基本料金」「従量料金」「燃料調整費」「再エネ賦課金」について探っていきたいと思います。
※一部記載に誤りがありましたので訂正いたしました。