電気料金の計算方法やプランについて③
先日は低圧電力の契約、「契約アンペア(A)」,「契約容量(kVA)」,「契約電力(kW)」について見ていきました。
今日は、実際の料金計算、「基本料金」,「電力量料金」,「燃料調整費」,「再エネ賦課金」について見ていこうと思います。
★基本料金★
電力会社のプランにも拠りますが、一般的に契約A,契約kVA,契約kWに比例して設定している場合が多いです。
契約Aは通常10A、15A、20A、30A、40A、50A、60Aの設定でそれぞれ一か月の基本料金が固定されていますが、大抵、10Aの基本料金が設定されていて、それに比例される金額が設定されている場合が多い様です。
同様に、契約容量・契約電力についても1kVA,1kW当たりの金額が設定されていて、実際の契約kVA、契約kWを掛けて基本料金としている様です。
特に2016年4月以降、多くの事業者が低圧の小売電気事業に参入して色々な電気料金プランを展開していますね。
基本料金自体がないプランも存在しています。
★電力量料金★
実際の使用量に応じて料金計算されます。
使用量に応じて段階的に単価が変わるプラン、季節によって単価が変わるプラン、時間帯に応じて単価が変わるプランなどがあります。
・段階的に単価が変わるプラン
例):東京電力の従量電灯B (2021年5月6日現在)
最初の120kWhまで(第1段階料金) :19円88銭
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金) :26円48銭
300kWh超過(第3段階料金) :30円57銭
という単価設定で、
ある月に400kWh使用した場合、
19.88円×120kWh+26.48円×(300-120)+30.57円×(400-300) = 10,209円
となります。
・季節毎に単価が変わるプラン
夏とそれ以外,夏・冬・それ以外,など季節によって単価が変わるプランです。
例):東京電力の低圧電力 (2021年5月6日現在)
夏季 :17.37円
その他季:15.80円
※このプランの夏季とは7,8,9月の事で、その他季はそれ以外の月の事になります。
電力量料金 = その月の単価 × 月のTOTAL使用量
となります。
・時間帯で単価が変わるプラン
例)東京電力の夜トク8 (2021年5月6日現在)
午前7時〜午後11時 :32.74円
午後11時〜翌午前7時:21.16円
昼間の時間帯と夜の時間帯と単価が違うプランです。
夜の使用量が多い場合は料金が安くなる様です。
太陽光と蓄電池を設置して、昼間は太陽光と夜の間に充電した蓄電池を使用すると安くなるかもしれませんね。
・その他のプラン
最近は市場連動プランという料金プランを提供している電力会社もある様です。
市場連動プランとは電力市場の価格に連動して料金計算を行うプランです。
市場の価格は30分毎に単価が変わるので電気料金の単価も30分毎に変動して
電力量料金を算出します。
市場の変動がそのまま料金計算に影響するプランや、下限・上限単価を設けているプランなど、
電力会社によって様々な様です。
冬の寒いときや夏の暑いとき等、電気の使用量が増える時は市場が高騰する場合がありますが、
市場連動プランの場合、電力量料金もその影響を受ける可能性があるという事ですね。
★燃料調整費★
燃料費調整制度とは火力発電に使う燃料である原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の輸入価格は産油国の情勢や為替レートなどで変動するため、それを電気料金に反映させる制度です。
具体的には、燃料価格の3ヶ月平均値(平均燃料価格)にもとづき、2ヶ月後の燃料費調整単価を算定し、毎月(1ヶ月ごと)の電気料金に反映します。
通常どの電力会社でも燃料調整費を料金計算に含めています。
燃料調整費 = 燃料調整単価 × 電力使用量
★再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)★
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、太陽光発電・風力発電・地熱発電・水力発電などの再生可能エネルギー発電を普及・拡大させることを目的に、電力会社が再生可能エネルギーを固定価格で買い取る際の費用を消費者が負担するものです。
kWhあたりに単価が毎年設定され、その単価に使用電力量を掛けた額が毎月の電気料金に含まれます。
再エネ賦課金 = 再エネ賦課金単価 × 電力使用量
となります。
それ以外に各種割引等を設けているプランもある様です。
電気の使用状態によって電力会社やプランを選択すれば電気料金を安くする事もできそうですね。
次回は再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)の元となる固定価格買取制度(FIT)について見ていきたいと思います。